tv asahi なんでもクラシック 2014 2月6日(木)〜11日(火)
東京芸術劇場 コンサートフォール/プレイハウス
東京芸術劇場 コンサートフォール/プレイハウス
〜3.11 もうひとつのエピソード〜
2011年3月14日のあるコンサート。永く勤めた楽団の定年卒業を間近にひかえたひとりのコンサートマスターが、R.シュトラウスが自らの音楽家としての生涯を描いた大曲、「英雄の生涯」に挑もうとしていました。
この曲には、コンサートマスターにとって重要なソロがあり、あたかも自らのコンサートマスターとしてのキャリアをR.シュトラウスの生涯に重ね合わせたかのような状況が、このコンサートで実現するはずでした。
ところが2011年3月11日、日本を揺るがす未曾有の大震災に見舞われ、3日後の3月14日に予定されていたそのコンサートは延期されることなく中止されてしまいました。
永く勤めたコンサートマスター人生の集大成として、コンサートへむけて、ひたすら練習をしていた本人や、まわりの期待していた人たちにとっても、とても残念な出来事でした。
被災した地域の多くの人々が哀しみを抱える中、目立ちませんでしたが音楽界でも、こんなエピソードがあったのです。
その美しい音色は、多くの観客を魅了してやみません。
そして今、永年勤めた読響ではかなわなかったソロ・コンサートマスターとしての集大成を実現させるべく、元N響ソロ・コンサートマスターの徳永二男氏が声をかけ、藤原浜雄を想う演奏家たちが立ち上がりました。
その一心で日本の音楽界を代表する超豪華なトップメンバーたちが声をかけ合って、この日東京芸術劇場に集結します。 日本の音楽界でこのようなことは、前代未聞です。
指揮をするのはケン= デイヴィッド・マズア。彼の父は、クルト・マズアで、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管芸術監督・首席指揮者、ニューヨーク・フィル音楽監督、ロンドン・フィル首席指揮者、フランス国立管音楽監督を歴任した世界的な指揮者で読響の名誉指揮者です。
奇しくも、藤原浜雄と読響時代に共演した縁の深い指揮者のJr.と世代を越えての競演も、またひとつの見どころとなります。
2014年2月9日、R.シュトラウス生誕150周年、あの2011年のかなわなかった夢が、かないます。
たった一度の感動のドキュメント・・・・。